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教えて!院長先生!

摂食嚥下リハビリテーションとは?認定士の歯科医師がわかりやすく解説!

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院長先生

こんにちは !
佐倉市志津・ユーカリが丘・四街道地区の歯科医院、ヨコデンタルクリニック院長の横引です。

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高橋

こんにちは !
ヨコデンタルクリニックの患者でライターの高橋です。

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院長先生

今回は、「摂食嚥下(せっしょく・えんげ)リハビリテーション」という、ちょっと難しい名前のリハビリについてお話しします。「摂食」は“食べること”、“嚥下”は“飲み込むこと”。つまり、「食べて飲み込むためのリハビリ」ということなんです。
なんだか専門的で難しそうに感じるかもしれませんが、なるべくわかりやすく伝えますね。

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高橋

介護をされているご家族には、知りたい情報ですね!よろしくお願いします!

プロフィール

教えてくれた人
ヨコデンタルクリニック院長 横引 良評 →プロフィール
1988年生まれ、広島県出身、千葉県佐倉市在住
趣味…サッカー・フットサル・ラーメン屋めぐり・温泉めぐり
歯科医師でありながら社会福祉士と介護支援専門員の資格を持ち、お子様から高齢者までの幅広い知識と治療経験がある。
「わかりやすい説明」と「円滑なコミュニケーション」を心がけ、患者様一人ひとりに寄り添った治療を提供している。

この記事を書いた人
インタビューライター 高橋 寛子
医療系インタビュー記事執筆を軸に、ホームページ制作やSNS・採用・事務にも携わる。プライベートでは2男1女の母。
院長先生の勤務医時代からの患者で、怖がり&病院嫌い&治療中に具合が悪くなる歯医者泣かせタイプ。。。

摂食嚥下リハビリテーションとは?

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院長先生

摂食嚥下リハビリテーションとは聞きなじみのない言葉だと思いますが、簡単に言うと、「安全に食べて飲み込む力を取り戻すリハビリ」です。
食べるというのは、実はとても複雑な動きなんです。口や舌、喉、食道、そして呼吸まで、たくさんの器官が連動して動いています。

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高橋

そんなにたくさんの機能が関わっているんですね!

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院長先生

そうなんです。だから、加齢や病気でどこかがうまく働かなくなると、「むせる」「飲み込みにくい」といった症状が出てきます。
摂食嚥下リハビリは、その原因を見つけて、安全に食べる力を取り戻すためのサポートです。

摂食嚥下リハビリテーションでは、どのようなことをするんですか?

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院長先生

いきなりリハビリを行うのではなく、まずは「評価」をするため、食べる様子や舌や喉の動き、唇の力などを観察して、どこに問題があるのかを調べます。

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高橋

具体的にはどんな検査をしますか?

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院長先生

代表的なのは、唾液を何回飲み込めるかを見る「RSST」というテストや、水を少し飲んでもらってむせるかを確認する「改訂水飲みテスト」です。
さらに詳しく調べる必要があれば、実際に食べ物を持ってきてもらい食べてもらったりします。精密検査が必要な場合には大学病院にて、飲み込みの様子を映像で確認できる嚥下造影(VF)や嚥下内視鏡(VE)を行います。

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高橋

まずはしっかり調べることが大切なんですね。

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院長先生

はい。評価をせずにリハビリを始めると、安全に進められないことがあるので、必ず最初に行います。

リハビリの方法は?

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院長先生

評価が終わったら、いよいよリハビリで、大きく分けると3つあります。

  1. 間接訓練(基礎訓練)
    食べ物を使わずに行う練習です。舌や唇、喉の筋肉を鍛えたり、動きをスムーズにする運動をします。
  2. 直接訓練(摂食訓練)
    実際に食べ物や飲み物を使いながら、安全に飲み込む練習をします。
    最初はとろみのある飲み物やゼリーなど、誤嚥しにくいものから始めます。
  3. 代償法・環境調整
    食べるときの姿勢を工夫したり、食器を変えたりして、安全に食べやすくする方法です。
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高橋

リハビリというと筋トレのようなイメージがありましたが、環境を整えることも含まれるんですね。

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院長先生

たとえば、頭を少し前に傾けるだけで飲み込みやすくなることもありますよ。

実際にどのようなことをするの?

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院長先生

実際にどんなことを行うのか、代表的なものをご紹介しますね。

  • 嚥下体操
    首や肩をほぐしたり、舌や唇を動かして飲み込みやすい状態にする準備運動です。
  • 舌の運動
    舌を上下・左右に動かす、上あごに押し当てるなど、舌の筋力を高めます。
  • 発声練習
    声を出すことも飲み込む力に関係します。「あー」と声を出すだけでも効果があるんですよ。
  • 食べ物を使った訓練
    とろみのついた飲み物やゼリーから始め、少しずつ普通の食事に近づけていきます。
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高橋

すぐに普通の食事に戻れるわけではないんですね。

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院長先生

はい。段階を踏みながら、少しずつ進めていきます。焦らず、ゆっくりが大切です。

家族ができるサポートは?

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高橋

家族としてはどんなことができるのでしょうか?

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院長先生

まずは「気づいてあげること」です。食事中にむせたり、咳き込んだり、食後に声がかすれるようなときは誤嚥のサインかもしれません。

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高橋

なるほど、観察が大事なんですね。

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院長先生

その通りです。
あとは、食べるときの姿勢をサポートしたり、一口の量を少なくする、食べるスピードをゆっくりにするなどの工夫も効果的です。
食事のときはテレビを消して、食べることに集中できる環境をつくるのも良いですね。

よくある誤解や注意点などは?

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高橋

気をつけるべきことはありますか?

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院長先生

よくある誤解が、「やわらかい食べ物なら安全」という考えです。
実は、ベタつきやすい食べ物や、バラバラに崩れる食材はかえって誤嚥しやすいことがあります。

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高橋

えっ、それは意外です!

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院長先生

そうですよね。なので、その人に合った食材の形や粘り気を調整することが大切です。
もうひとつ大切なのは、「無理をさせないこと」。
疲れてしまうと飲み込みが悪くなるので、少しずつ、ゆっくり進めていきましょう。

インタビュー後記

最後までお読みいただきありがとうございます。

今日のお話で、摂食嚥下リハビリは単なる飲み込みの練習ではなく、生活全体を整えるものだとわかりました。
食べることは、栄養だけでなく生きる楽しみにもつながるので大切ですよね。

もし「むせる」「飲み込みにくい」といった症状があれば、先生に早めに相談してみてください。

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